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川内川流域を楽しむための4つの体験をご紹介します。
お知らせ
川内川流域は熊本県を源流に宮崎県えびの市、鹿児島県湧水町、伊佐市、さつま町、薩摩川内市を流れており、そこにはそれぞれの地域の魅力を彩る事業者の皆さんがいらっしゃいます。『かわるひと〜川内川流域で豊かに暮らす人に会うメディア〜』はそんな皆さんにフォーカスを当て、川内川流域の魅力を県内外の方に感じてもらうきっかけにしたい。そんな企画になります。
第9回目は鹿児島県伊佐市の『デザインももも』の石田萌さんにお話を伺いました。
石田さん:私は大学でデザインを学び、そのまま包材メーカーに就職後、そこでパッケージデザイナーとして従事してきました。ありがたいことに様々な案件に携わることもでき、好評いただくデザインも多かったのですが、その中で「商品の本当の魅力を十分に伝えられているだろうか?」「もっと商品の本質的な良さを知り、具象化することはできないか?」ともどかしさを感じることがあって…。ちょうどコロナが蔓延し、世の中の働き方も大きく変化した時期でもあったので「それなら独立してデザインを通し、一人ひとりのクライアントさんの想いを具象化しよう」と思い、10年以上勤めた会社を退職しました。
石田さん:元々大分県の人口が少ない自然が豊かな地域の出身だったので、そんな環境で働きたい。そして、聞いたことがないまちをフィールドにしたい。そう思った時に伊佐の地域おこし協力隊(以下:協力隊)募集を発見したのがきっかけで伊佐をフィールドに活動することになりました。ミッションは「デザインを切り口とした地域の魅力向上」でした。たとえば、伊佐市内のある小学校が150周年を迎えるにあたりロゴマークを作成したり、福祉事業所と一緒に特産品開発を行う中でパッケージデザインをしたり。何度も足繁く通い打ち合わせを重ね、地域の皆さんの想いを汲み取りながらカタチにしていきました。これは都市部では中々できない関わり方だと思っています。
石田さん:昨年5月末に協力隊を卒業し『デザインももも』の屋号で伊佐市内に拠点を置き、デザイナーとして活動しています。協力隊時代と同じように「地域に根ざしたデザイナー」を軸に地域のいろんな場所へ足を運び、伊佐の良いモノをクライアントさんと一緒にカタチにし、市内外の方に知っていただくことに携われるのはとても幸せなことだと感じています。協力隊卒業後に自主企画で旅館の皆さんのご協力のもと湯之尾温泉エリアのマップを手がけ、エリア内の散策スポットを可視化してみました。このエリアは温泉旅館もあり、かつて鉱山として栄えた歴史もある伊佐の中でも面白いスポットの一つです。今後も特産品の開発など観光についてデザイン視点で関わっていけたらと考えています。
石田さん:実は伊佐市内のデザイナー仲間と『いさクリエイターズギルド』を昨年立ち上げたんです。もっと伊佐のクリエイティブを盛り上げていきたい。そんな想いで活動をスタートさせました。他にも川内川流域でいえば、河川敷で文化的な取り組みをするのも面白いと思っています。川の過ごし方=スポーツ、の印象が強いかもしれませんが、川沿いで読書会だったり絵を描くワークショップだったり、できることはたくさんあります。イベント事じゃなくても、川内川を散歩していると空と水がとても綺麗ですし季節によって景色も変わり気分転換ができるので、仕事の面でも暮らしの面でも伊佐は過ごしやすいまちだと感じています。そんなありがたい環境で、デザインを通して伊佐の本当の良さを多くの人に知ってもらえるように地域に根付きながらまちの皆さんと向き合っていきたいです。
取材・執筆・撮影:上 泰寿(ケアの編集者)
【事業者情報】
事業者名:デザインももも
HP:https://www.designmomomo.com/ SNS:https://www.instagram.com/designmomomo/