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川内川流域を楽しむための4つの体験をご紹介します。
お知らせ
川内川流域は熊本県を源流に宮崎県えびの市、鹿児島県湧水町、伊佐市、さつま町、薩摩川内市を流れており、そこにはそれぞれの地域の魅力を彩る事業者の皆さんがいらっしゃいます。『かわるひと〜川内川流域で豊かに暮らす人に会うメディア〜』はそんな皆さんにフォーカスを当て、川内川流域の魅力を県内外の方に感じてもらうきっかけにしたい。そんな企画になります。
第8回目は鹿児島県薩摩川内市東郷町の『峯商店』の峯令花さんにお話を伺いました。
峯さん:私は飲食店でのアルバイトや鹿児島移住後にカフェの立ち上げに携わった経験から「食」を軸にしたお店づくりの面白さを知りました。経営者の想いを知り、そこからいかにお店にとってもお客様にとっても居心地良い空間づくりができるか。そこを意識するようになったのは大きな経験だったと思います。カフェで働いているときは、お客様との交流が楽しみで本当の友達のような関係になった常連の方もいらっしゃいます(笑)。今でも連絡をくださる方もいて、先日は「魚が獲れたから食べんかー?」と電話がありました。そんな時間は目に映る誰かとの関わり方や楽しさを教えてもらった気がします。
峯さん:昨年1月から薩摩川内市の東郷町にて『峯商店』を立ち上げ、スパイスカレーとおやつを提供しています。出産を機に夫の地元へ引越しをしたことがきっかけでした。引越し当時、家の前には物置となっていた建物があり、10年ちょっと前まで地域の人たちが利用する商店として愛されていた場所と聞いています。その空間に入った瞬間、何だか温かいものを感じたんです。空き家で使われていないはずなのにまだ息をしているような、ほんのちょっと灯りが点っているような。そんな感覚でした。夫とは「いつか飲食店ができたらいいよね」と会話していたタイミングでしたし、夫の祖母が営んでいた場所という背景も何かしらのご縁だと感じ、小さくお店を始めることにしました。
峯さん:ありがたいことに先日1周年を迎えました。この場所は薩摩川内市の中心地から離れているためか、飲食店や商店が少ないエリアです。だからか地域の皆さんや通りがけの方から「東郷町でコーヒー一杯から利用できる場所ができてよかった」と嬉しい声をいただいています。年配の常連さんもいらっしゃり、一人暮らしでご飯をつくるのが大変な方や健康を意識したご飯を食べたい方にはスパイスカレーはうってつけだと思います。お店を切り盛りする上で意識しているのは「価値以上の時間を提供すること」。近かれ遠かれ、お客様は限られた時間を峯商店で過ごそうと思っているから足を運んでくださいます。そんな人たちに「今日も一日、いい日になりそうだ」という気分になってもらえるようなお店でありたいと心がけています。
峯さん:実はお店以外にはヨガのお仕事もしています。『SOKO KAKAKA』(薩摩川内市)では週2回のレッスンを行っており、昨年は川内川河川敷で開催しました。そこから川内川の魅力や可能性を感じるようになったので、今後もヨガだったり、イベントがあれば出店し、一緒にかわまちづくりの可能性を模索していきたいですし、普段お会いできない方々とも交流できたらと思っています。私は子どもが3人いるのですが、育児で大変で心が折れそうな時期があったんです。そんなとき「大丈夫?」「どうしたの?」という何気ない一言に救われた経験があります。それってみんな同じだと思うんです。だからこそ、お店づくりであっても、かわまちづくりであっても、落ち込んでいる人がちょっとでも元気になる背中押しができるようなことができたら嬉しいです。
インタビュー・撮影・執筆:上 泰寿(ケアの編集者)
【事業者情報】
事業者名:峯商店
SNS:https://www.instagram.com/mine_shouten.togo/