お知らせ

かわるひと/#11 豊田寧仁さん(えびの市・NPO法人KRAP)

川内川流域は熊本県を源流に宮崎県えびの市、鹿児島県湧水町、伊佐市、さつま町、薩摩川内市を流れており、そこにはそれぞれの地域の魅力を彩る事業者の皆さんがいらっしゃいます。『かわるひと〜川内川流域で豊かに暮らす人に会うメディア〜』はそんな皆さんにフォーカスを当て、川内川流域の魅力を県内外の方に感じてもらうきっかけにしたい。そんな企画になります。

第11回目は宮崎県えびの市の『NPO法人KRAP』(以下:KRAP)の豊田寧仁さんに、2025年10月に開催されたスパークフェス(KRAP主催)についてお話を伺いました。

過去に取材したKRAPメンバー・井上成秀さんのインタビュー記事はこちら。
https://kawamachi.jp/2011

画像提供:豊田寧仁

枠を超え、ともに人が賑わう空間を演出する

豊田さん:スパークフェスは今年の4月から社会実験を開始している京町地区河川公園キャンプ場「スパーク」を舞台に開催されました。スパークの認知度アップや河川空間とまちの空間が融合した空間を楽しむ機会を創出するために、行政や民間、警察署、自衛隊など多くの人の手でつくりあげたイベントになります。

主催はKRAPですが、私たちは関係者の皆さんが当日思う存分力を発揮し、一人ひとりがまちづくりを自分ごとに捉えて、このイベント関係なく、今後も積極的にともにえびの市を盛り上げる起爆剤になれたらという想いもあり、バックアップに注力しました。

フィールドの一つとなった多目的広場では、フリーマーケットを主催している方々に空間の使い方を委ねました。私たちは見えない部分の機材集めや集客などでサポートし、一緒にその空間を演出することができたかと思っています。

KRAP 豊田寧仁さん

豊田さん:また、アクティビティ体験では地元のカヌー協会と連携しカヌー体験を行ったり、水鉄砲対決では、警察と自衛隊にも参加してもらいました。このように組織の枠を超えた機会が作れたと自負しています。また、今回のイベントにあたり「FMさつませんだい」にラジオ出演し、告知させていただきました。県を跨いでイベントの告知ができるなんて想定していなかったので、これはまさに川内川が繋いだご縁だと思っています。今後はこの川内川流域で何かしら活動する人たちがお互いのイベントで行き来したり、情報を発信し合ったりすることで観光視点で相乗効果にも繋がると感じました。

多目的広場ではフリーマーケットを開催
えびの市カヌー協会のサポートでカヌー体験も
自衛隊、警察署を巻き込んだ水鉄砲対決も

豊田さん:さらに、キャンプ場に自生していた大きなタブの木をシンボル化するため、ライトアップを実施しました。さらに子どもが遊べるようにブランコも私たちで設置、ライトアップによりタブの木が温かくキャンプ場を見守る象徴へと生まれ変わり、その価値と手応えを強く実感しました。来場者から好評の声をたくさんいただき、ライトアップが場の魅力を高め、癒しの風景を生んでいると感じています。

夜は川内川沿いでライトアップの演出(今後も18〜21時に自動点灯される)
橋の下で夜バル お酒やフードを片手に多くの人で賑わった
来場者の中にはキャンプを楽しむ人も 1泊2日で川内川を満喫できるコンテンツとなった

心の底から地元を楽しむ大人の背中を子どもたちに

豊田さん:スパークフェスの一番中心になるのは子どもたちです。イベントに従事する、もしくは、参加している大人たちの姿を見て「こんな大人になりたい」「地元で面白いことにチャレンジしたい」と思ってもらえるように意識しました。今回、とても印象的だったのが、地元の高校生が出店していた大人たちとキャンプをしながら談笑している姿でした。翌日その高校生たちに話を聞くと、刺激を受けたようで「今まで聞いたことのない話ばかりだった」「将来はえびので観光業に就きたい」と胸を張って夢を語る子もいて嬉しい気持ちになりました。家庭でも学校でも学べない、この日だから、この空間だからこそ学べるものがある。それがスパークフェスの一番の魅力だと感じましたし、今後もそういう空間をつくっていきたいと心の底から思いました。

写真提供:豊田寧仁 キャンプしながら地元高校生と出店者が交流する様子

豊田さん:同じ川内川流域といっても、地域が変われば魅力も人もそれぞれです。だからこそ、その地域に住んでいる人にしかわからないまちの輝かせ方があると思いますし、郷土を誇る流域の地域同士が力を合わせれば、想像もしない面白いことが起きるのは間違いありません。ただ、その前提として、僕は今まで一緒に頑張ってきた仲間を誇り、感謝したい。活動をしていると「苦労とかないんですか?」とよく聞かれるんですが、全く苦労だと感じていません。それは純粋に楽しいと感じさせてくれる仲間たちの存在があるからです。常に前を向き、笑いながら楽しむ大人の背中を見せることが子どもたちにとって一番良い刺激を与えることができることだと信じていますし、これからもそのような空間をつくり続けていきたいと思います。

取材・執筆:上 泰寿(ケアの編集者)

【事業者情報】
事業者名:NPO法人KRAP
関連URL:https://www.qsr.mlit.go.jp/sendai/environment/index/1/index.html

【イベント情報】
イベント名:スパークフェス
関連URL:https://www.city.ebino.lg.jp/soshiki/kankoshoko/1/6894.html

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