体験で探す
川内川流域を楽しむための4つの体験をご紹介します。
お知らせ
川内川流域は熊本県を源流に宮崎県えびの市、鹿児島県湧水町、伊佐市、さつま町、薩摩川内市を流れており、そこにはそれぞれの地域の魅力を彩る事業者の皆さんがいらっしゃいます。『かわるひと〜川内川流域で豊かに暮らす人に会うメディア〜』はそんな皆さんにフォーカスを当て、川内川流域の魅力を県内外の方に感じてもらうきっかけにしたい。そんな企画になります。
第7回目は鹿児島県湧水町の『お茶の野本園』の野本沙織さんにお話を伺いました。
手の届く世界で、誰もが生き生きする空間をつくる
野本さん：私はお茶農家の仕事をしつつ、県内外問わず、いろんな土地を巡りながらまちのPRや仲間づくりをしてきました。ありがたいことに多くの繋がりもでき、商品開発やイベントなどに活かせています。ただ、最近は地域のおじいちゃん・おばあちゃんたちとの関わりを模索していまして。ありがたいことに私は幼い頃から「沙織ちゃん！」と呼んで可愛がってくれて、今でもおすそわけを持ってきてくれたり、親切にしてくださる地域の人たちに囲まれて過ごしてきました。だからこそ思うんです。「恩返ししなきゃ！」って。そこで昨年からハーブづくりを地域の皆さんと始めました。私が種を植え、苗ができたら種類に応じて育てる役割を分けて、収穫したハーブの商品化に向けて準備を進めています。皆さん、楽しんでくれているのか、育てたハーブをどんどん持ってきてくれるんです。本当は誰がどの時期にどのハーブを持ってくると決めているのですが、人によっては朝の早い時間から持ってくる人もいて嬉しい悲鳴です（笑）。
野本さん：以前はまちのPR活動に注力していたからか、実績を上げることに意識がいっていたと思います。でも、おじいちゃん・おばちゃんと一緒に作業していると手の届く範囲の世界を大事にしたい。血の通った居心地の良い時間を共有しながら、それぞれが生き生きする空間をつくっていきたい。そう思うようになりました。それがきっと心と体の健康にもつながりますし、結果として、地域での仕事を生み出し、活性化にもつながるのではないかと思うんです。作業を割り振っているのは私ですが、逆に教えていただくことも多いです。まちの歴史だったり、自然の知恵だったり、勉強させてもらってばかりです。最近面白いなと思った瞬間があって、お昼休みにキッチンカーを呼んだら、人が人を呼んでハーブの作業をしていない地域の人も来て、気がついたら30~40人座っていてびっくりしました（笑）。そんな人が集まる光景が湧水町の各地区でも広がったら嬉しいです。
いろんな人が繋がり、楽しいまちの雰囲気を醸成する
野本さん：湧水町は大きく分けると栗野と吉松に分かれています。それぞれの地域で頑張って活動している人は多く、まちを盛り上げるためにイベントを企画されています。私も町内でマルシェを毎年企画させてもらっていて、昨年は栗野の丸池という場所で開催しました。吉松の出店者にも声かけをして、それぞれの地域の特色が出る時間だったと思います。なので、今年は吉松で開催をして、栗野の出店者に出てもらえないか調整しているところです。他にも、栗野であれば国体でカヌー競技の会場として使われた轟（とどろき）地区だったり、吉松であればパラグライダーのテイクオフ場として整備された魚野フライトエリアだったり、もっと活用すれば湧水町の魅力を活かしたまちづくりができると思います。
野本さん：嬉しいことに湧水町に移住する人は増えてきていると耳にします。ただ、地域の人も含めて移住者の皆さんとちゃんと顔を合わせて交流する機会って中々ないんです。SNSなどでチェックすると一人ひとりが面白い動きをしていてワクワクすることも多いです。だから、いろんな人がラフに集まれる機会をつくることが私の使命じゃないかと考えています。繋がりが生まれ、可能性も広がりますし、それが「湧水町って今楽しいみたいだよ」「盛り上がっているよ」という雰囲気の醸成にもなると思うんです。そこを切り拓く窓口になるのが私の一つの役割だなと感じています。その先に湧水町内だけではなく、川内川流域のまち同士が連携し合って、お互い行き来できる関係性も築けたら。それが一番理想的ですよね。
【事業者情報】
事業者名：お茶の野本園
HP：https://www.nomotoen.jp SNS：https://www.instagram.com/nomotoen/
