お知らせ

さつま町の幻想的なホタルの風景を再び〜ホタルノヒカリ 開催〜

2024年11月23日。さつま町のあびーる館 河川敷広場<水辺の楽校>を舞台に『ホタルノヒカリ』が開催されました。その様子をレポートしたいと思います。

イベントフライヤー

さつま町の愛着ある風景を未来へ紡ぐために

さつま町では5月になるとホタルが幻想的に飛び交う風景がまちの風物詩となっています。しかし、近年は環境の変化から生態系の影響が現れ、ホタルの数が減少し、毎年当たり前のように見ていた風景が失われる危機に瀕しているのです。

さつま町のホタルは悠久の昔からまちに恵みを運ぶ川内川を中心に生息しています。薩摩川内市、さつま町、伊佐市、湧水町、えびの市(宮崎県)の5市町にまたがり、人々の暮らしはもちろん、自然や生態系を支える地域にとっては無くてはならない大事な場所です。

“川内川沿いでさつま町の愛着ある風景を未来の子どもたちにも紡いでいきたい。守っていきたい。そう思える人が一人でも増えたら…。”

そんな思いでホタルノヒカリは誕生し、今回の開催に至りました。

トークショーのゲスト・浜本麦さんとイベント打ち合わせの様子
イベント会場の下見 日が沈んだ後に行うケミホタルのチェック

地域を越えて同じ風景をつくっていく

イベント当日は晴天に恵まれた中でスタート。さつま町以外からも川内川流域沿いの事業者が出店するなど、多くの人が足を運び、賑わいました。

イベント事務局の東條なぎささん(写真左)と田尾友輔さん(写真中央)、司会のわかまつごうさん(写真右) イベントステージの様子

日中は「水辺のプチジャンボリー」という名のステージで川内川流域ゆかりのダンサーやアーティスト、地元小学校の吹奏楽部、絵本の朗読などが開催されました。

水辺のプチジャンボリー 伊佐市で活動しているダンスチームBeat Jack Nextによるステージ
水辺のプチジャンボリー さつま町出身のアーティスト・亜づみによる音楽ライブ
水辺のプチジャンボリー 鶴田小学校吹奏楽部の演奏
水辺のプチジャンボリー 絵本の朗読 地元の小学生がホタルにまつわる絵本を読んでくれました
水辺のプチジャンボリー 川内出身で司会も務めた・わかまつごうによるライブ

おてんとマルシェでは衣・食・住にまつわるものや子どもたちが喜ぶお店がズラリ。常にお客さんが絶えませんでした。

おてんとマルシェ 家族で買い物を楽しむ様子
おてんとマルシェ おもちゃブースやワークショップでは子どもたちが楽しむ風景が常に見られました
おてんとマルシェ 地域を越えた出店者同士の交流も

空間装飾は廃材となっていたワイヤーを活用し、新たに生命を吹き込まれた生き物たちが!日中は立体的アート作品に、夜は空間を照らす灯りとしてホタルノヒカリの雰囲気を演出してくれました。

水辺のプチジャンボリー 廃材やワイヤーを活用した空間装飾 soubokuにより手がけられました
水辺のプチジャンボリー 廃材やワイヤーを活用した空間装飾 夜は灯りで雰囲気を演出

舞台裏では5市町村の職員が運営に。地域の枠を越え、みんなで同じ風景をつくっていく時間となりました。

川内川水系かわまちづくり観光振興部会メンバー 運営の様子
川沿いでゆっくりイベントを楽しむ来場者
高台から見たイベントの風景
川沿いでは子どもたちが遊ぶ風景も

ホタルが生きやすい環境を整えるために、それぞれができることを

続いては浜本麦さん(通称:ばくさん)によるトークショーが行われました。テーマは「蛍が増えるためにみんなでできること」。

トークショーのゲスト:浜本麦さん

 

「ホタルが飛び交っていた幻想的な風景を取り戻すために何ができるか?それについて考えてもらうことが今回の目的です。」

冒頭、そのように話されたばくさん。ホタルに関するクイズを出しながら子どもから大人まで楽しめるようにわかりやすく説明してくださいました。

川内川をバックにクイズを織り交ぜながら楽しく話を展開

ホタルに関する説明を終え、最後に会場にいる全員に向けて力強いメッセージを送り、トークショーを締めくくりました。

「ホタルが生きやすい環境を整えること。それが一番大事です。自分たちだけが暮らしやすい環境にすればいいわけではありません。暮らしている環境が今どうなっているのか?その中で自分たちができる時にできることを考え、少しでも実行することで昔のような風景を取り戻すことができると思います。」

「僕は子どもの時にさつま町のホタル舟に乗ったことがあります。それまで見たことがない風景に感激したのを今でも鮮明に覚えています。あの景色をまた見たい気持ちは僕も一緒です。ただ、別に大きなアクションを起こさなくてもいいんです。今日お話したことを誰かに伝えるだけでも意味はあるんです。そんな小さな一歩が10年後先の未来の景色に繋がれば嬉しいです。」

できる人が、できる時に、できることを 今回のトークショーの一番のメッセージでした

みんなでホタルが舞う風景を楽しみながら再現する

日が沈み、イベントはフィナーレへ。まずはケミホタル1000個を使い、大人も子どもも一緒になり、全員で幻想的な風景をつくりました。ホタルノヒカリと山と夕焼けのグラデーション。川内川が流れ、ホタルが風物詩のさつま町だから再現できる風景でしたし、何よりその場にいる全員が楽しんでいる様子が印象的でした。

その舞台裏ではケミホタル1000個の準備を高校生が担い、演出にあたっては事務局が何度も会場へ足を運び試行錯誤を繰り返したといいます。

そんな見えないところで一人ひとりの地道な努力があったからこその風景がつくれたんだと感じました。

ケミホタルをつくる作業に協力してくれた高校生たち この作業があってこその幻想的な風景が生まれました
ケミホタル1000個が織りなす幻想的な風景

その後のステージも日中と違った雰囲気に。音楽ユニットHUNKAによるライブ、そして、宮之城吹奏楽団による演奏によりホタルノヒカリは無事にフィナーレを迎えることができました。

水辺のプチジャンボリー 水俣市在住の音楽ユニットHUNKAのライブ
水辺のプチジャンボリー 宮之城吹奏楽部団による演奏でフィナーレ

この日生まれた風景が10年後、20年後、さらにその先の世代へどう繋がっていくのか。ホタルのいる風景をどのように守っていくのか。そんなことを少しでも考え、小さくアクションする人が増えたら何より嬉しいです。

取材・執筆:上  泰寿
撮影:福留敦己

<基本情報>
イベント名:ホタルノヒカリ
URL:
インスタグラム
https://www.instagram.com/hotarunohikari_satsuma/

Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=61567029638754

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