かわるひと／#03 井上成秀さん（宮崎県えびの市・KRAP）

川内川流域は熊本県を源流に宮崎県えびの市、鹿児島県湧水町、伊佐市、さつま町、薩摩川内市を流れており、そこにはそれぞれの地域の魅力を彩る事業者の皆さんがいらっしゃいます。『かわるひと〜川内川流域で豊かに暮らす人に会うメディア〜』はそんな皆さんにフォーカスを当て、川内川流域の魅力を県内外の方に感じてもらうきっかけにしたい。そんな企画になります。

第3回目は宮崎県えびの市の『KRAP（きょうまちリバーアクティブパーク）』副代表の井上成秀さんにお話を伺いました。

「京町温泉を大人も子供も楽しめる場所に」

井上さん：私は枕崎生まれなのですが、えびのが妻の出身でして、それがご縁で移住しました。しかし、移住当初は友人もおらず、休日は外に出ない日々が続きまして…。そんな私を見かねたのか、妻の叔父が地域の集まりに連れて行ってくださり、それがきっかけで地域の知り合いが増えていきました。十数年前、花火大会の実行委員会を若い世代に任せたいと相談を受け、若手メンバーがメインで引き継ぐことになったんです。そのメンバーのほとんどは現在KRAPとして一緒に活動しているメンバーばかりで、代表の豊田もその当時からの付き合いになります。

井上さん：ある時、豊田が「京町温泉施設のボランティア清掃をしないか？」と声を上げ、月に１回、各温泉施設のボランティア清掃を行うという活動もやったりしました。加えて、まちを盛り上げるためのイベントも商店街で開催するようになり、色々な京町温泉の面白い方と繋がっていきました。そんな時のことです。河川事務所の方から「川内川河川敷（以下：河川敷）でも、君たちがやっているような活動ができるんだよ」と教えていただきまして。代表の豊田が「それなら、この京町温泉を大人も子供も楽しめる場所にしよう」と声を上げ、ボランティア活動やイベント実行委員のメンバーを中心に団体を立ち上げることにしました。それがKRAPとしての始まりになります。

「まちの人と活動することは自分の財産」

井上さん：KRAPの活動の１つとして、河川事務所から声をかけていただき河川敷を活用した社会実験を行いました。子供たちのカヌー体験や河川敷でキャンプをする等、今までと違った視点で川内川を楽しんでもらえたかと思います。カヌーを漕いでいた子が転覆することもあり最初はヒヤヒヤしたのですが「もう一回！」「昼からもやりたい！」と前向きにチャレンジする姿も見られて、社会実験を行った手応えを感じました。イベント後に「こんな活用もできるんですね」「川内川に対する印象が変わった」といった声があり、今後も様々なイベントや学校の授業といった場を通して、大人や子供が河川敷を利活用し、さらに身近に感じてもらえるきっかけを増やしていけたらと妄想しているところです。

井上さん：実は数年前、花火大会当日に土砂降りになってしまい、開催が危ぶまれたことがあったんです。それでも、実行委員のメンバーは誰一人「中止」と口にしませんでした。夕方になると、何と少しずつ晴れてきたのですが、急遽トラック数台分の砂利を発注して、土砂降りでできた水たまりを実行委員や大会ボランティアの方みんなでスコップで汗まみれで埋める作業を開催時間ギリギリまでやり、足場も泥濘むこともなく、無事に開催することができました。そこまでして地域のために動かれる皆さんの姿を見ていると「この人たちと何かすることは、きっと私に財産になる」と確信したんです。ありがたいことに活動を通して、地元の人以上に京町温泉のことを知れるようになりました。今後も私が持つそんな財産を活かして、さらに面白い活動を広げていきたいです。

【団体情報】
団体名：KPAP（きょうまちリバーアクティブパーク）
URL：https://www.youtube.com/channel/UC1K4MsEakv46RfvAJ6xqakg